「心の在り方」(2015年1月25日発行)

のっけから大上段に構えた話になりますが、人には様々な生き方があります。百人百様の価値観があります。たとえば何かをするにしても、のんびりゆっくりやりたいときに少しずつやると言うのも一つですし、少しでも良い成果を出すために期限を切って、より効率よく真剣に取り組むと言うのも一つです。何をするか、誰がするか、何のためにするか、こういうことがそれぞれ違ってくるとやり方にも随分違いが出てくると思います。もしあなたが何か目標や目的があってそれを達成したい、叶えたいということになったらどうでしょう。しかもそれに明確な期限がついているとしたら。多くの場合のんびりゆっくり取り組むわけにはいかなくなります。その期限から逆算していつまでに何をどこまで達成しておかなければならないなどの数値目標を立てます。またよりレベルの高い成果を上げるためにより効果的な方法を考えます。そしてこれらを実際に実行して目標を達成するのに一番大切なことは何かというと、それを実行する人の「心の在り方」であると思います。

その「心の在り方」とはどんな在り方なのでしょう。一般に目標・目的をもって行動する場合、常につきまとうのが障害です。様々な困難です。「目標・目的」を持った途端に、あたかもハンバーガーにコーヒーが付いてくるように、「障害・困難」がセットとして付いてきているように思います。すなわち目標・目的は障害・困難と闘うために設定されたものと言っても過言ではありません。そんな障害や困難を乗り越える力は「常に前に進む気持ち」を持ち続けられるかどうかにかかっています。困難や障害は予め予想できるものだけではありません。突然、突拍子もないような困難がやってきます。そんな時たいていの人は「~だったからしょうがない」といって止めてしまいます。にもかかわらず前向きに頑張る発想をどう身につけるか。どう持続するか。これが大きなポイントとなります。
何のためにやるのかという目的をしっかり持っているか、どこまで成し遂げるかという目標を明確に意識しているか。この思いが強ければ強いほど、どんなときでも前向きに取り組む気持ちを強く持ち続けることが出来ます。その結果より効果的でより効率的な取り組みが日々検証され実行され実現されていくのです。

そんな事例の一つが受験です。期限があり、より効果的効率的な勉強を求められ、より高いレベルを目指すことが求められます。ただ一般的な仕事などと違うのは、それを行うのは発育途中の子ども達であると言うことです。大人と同じように効果効率を求められながらも、その原動力となる「心の在り方」は皆それぞれ違うことです。子ども達がそれぞれの成長途上にあり「心の在り方」の強さも全く異なります。場合によっては受験という目標を設定した後でその「思い」を創り上げていく場合だってあるからです。

子ども達はたくさんの失敗をします。そしてたくさんの失敗から様々な学びを得て成長していきます。一度失敗したらもう二度と近寄りたくないといっていたら成長に欠かせない様々な経験を積むチャンスを失ってしまいます。とすれば何度失敗しても常にそこから学び、立ち上がる気持ちの強さを引き出し育んでいくこと。受験はその受験勉強の日々の中で様々な外的・内的な障害や困難との戦いでもあります。心の在り方は単に頭で理解するものではなく、日頃の生活の中で経験として身体で覚えていかなければならないものです。
苦手科目がなかなか克服できない。勉強内容が難しくて前に進めない。授業がよく分からない。宿題が多すぎる。環境的に勉強に集中できない。怪我や病気に悩まされる。さらには友達と上手くいかない、などなど様々な障害や困難の中、にもかかわらず前に進む気持ちをどうやって持ち続けるか。精神的成長の度合いも性格も環境も違う中で子ども達は自分の身体でそれらを感知し、心の在り方を訓練していくしかありません。「・・・でもがんばる」は青藍学院の合い言葉です。「M(無理)・D(出来ない)禁止」は青藍学院の空気です。

受験生のみなさん、いよいよその受験本番です。皆さんにとって心の在り方の訓練はまだ終わったわけではありません。受験当日まで挑戦が続きます。たとえ当日失敗があっても最後の試験科目の終了時間が来るまでは「あきらめない気持ち」「でも頑張る気持ち」を持ち続けることです。いえいえ、これはあなた方がこれから人生の中で目標を持ち目的を持って行動を起こすとき常に持ち続けなければならない心の在り方であろうと思います。
(代表 林 政夫)